派遣OLの退屈な毎日

30歳派遣OLの日常を日記風に書きます

日比谷線六本木駅

六本木はたいした思い入れもない場所だけど、日比谷線六本木駅から六本木ヒルズへ通るエスカレーターの吹き抜け空間だけは宇宙みたいでいつも高揚する。特に夜は、闇夜が透けたガラス張りの中で、大きなパネルから流れる浮遊感のあるコマーシャル音とエスカレーターが無重力のような雰囲気を出してる。

六本木アートナイトはアートに熱心でない人の視線と、大衆に近づこうとするアートの気持ちが渦巻いていてどっと額に汗をかいた。素敵だと思うけれど気持ちが少し疲れる。芸術の事になると急に意見が厳しくなる自分がいやになる。逃げるように人の隙間を抜けてあの空間に足を一歩踏み入れると、ゆるやかに下へ吸い込まれる自分の体、遠くから流れる映画のCMの音と東京ガスの事を話す低い男性の声が入り混じって聞こえて、とたんに冷静になる。ガラスの向こうは闇で真っ黒で、その間を白い鉄の支柱達が光を乗せて垂直に走っている。宇宙に行けそう。