派遣OLの退屈な毎日

30歳派遣OLの日常を日記風に書きます

最初で最後の恋人

大学生の時初めて彼氏が出来た。同じ学科の人だった。女子校育ちで男性との距離の取り方がわかっていなくて、何かの話題でご飯を作りに行ってあげるよと言ったら、男の家に簡単に行くものではないと怒られた。それで彼の家には一度も行く事がなかった。

10代ですっかり情緒不安定が出来上がっていた私が、闇の底へ落ちそうになる度に手を取ってくれた。ありがたい存在だった。

一方で彼が極度に怒る性格で一緒にいるのが怖かった。何でそんなに怒るのかもわからなかった。私が携帯で見た占いの結果について同意を求めたら、突然髪を掴まれて怒鳴られた。びっくりして何て怒鳴っていたのか全く思い出せない。あまりにも怖くて気がついたら泣いていた。その後の彼の行動もよく思い出せない。

彼の不機嫌が酷く怖かった。壁を叩いたり、自転車を蹴り倒したり、おまえはダメだと冷たくされたりした。どうすればいいのかわからなくて気がついたら私は心が疲れ切っていた。

ある夜電話がかかってきて、もう別れようと言われた。付き合い始めて3年がたっていた。やっと解放されると私は安堵した。どうすれば別れられるのか、それすらよくわかっていなかった。


それから一度も恋人ができた事がない。男の人が近づいてくると、最初の彼氏の沢山のことが思い出されて緊張して警戒する。恋愛というのがとても大変な事に思える。不機嫌な彼に縛り付けられている、今も。