派遣OLの退屈な毎日

30歳派遣OLの日常を日記風に書きます

深夜便

人生で一番好きな時間を問われたら深夜発の飛行機に乗っている時と答える。

街の光が少し落ちついた深夜の車一つ一つの動き。道を教えるオレンジの街灯。昼間は汚い東京が闇に消されて光だけが浮いている。斜め上からゆっくり凱旋しながら眺めていると生きている街を感じられる。

海外から経つ時も、短い時間過ごした街の光が闇夜と共に動いて、私がいなくなった後も変わらず毎日が続いていくのだろうと感じて切なくなる。どの国も街も、東京とは全く違う光を持っている。小さくなっていく光達を見て、良い街だったと回想に耽る。街の光はもう足元から遠くにいる人たちだけを向いて輝いている。私は光を上から眺める事しかできないんだと、旅の終わりを教えてくれる薄暗い飛行機の小さな窓側席は、世界で一番良い時間を私にくれる。